法界定印を結び、宇宙の真理をあらわす大日如来を中央に、四如来・四菩薩が八蓮弁に座す胎蔵曼荼羅の中心となる院。大悲大定の威光に満ちた大日如来と、人々の仏性を育む諸如来、それを支援する諸菩薩の功徳が示される。
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●胎蔵マンダラの中心 ●八葉の蓮弁の中央に主尊の大日如来(サトリ)、その上(東)に宝幢如来、右(南)に開敷華王如来、下(西)に無量寿如来、左(北)に天鼓雷音如来、の「四如来」が配される。 ●「四如来」の各間には、右斜め上(東南)に普賢菩薩、右斜め下(西南)に文殊菩薩、左斜め下(西北)に観自在菩薩、左斜め上(東北)に弥勒菩薩、の「四菩薩」が配される。 ●他の如来が袈裟を着た如来形であるのに対して、大日如来は頭上に宝冠を戴く菩薩形であらわされる。 ●密教の物質的生成原理を可視化した胎蔵曼荼羅の大日如来は、理の世界の象徴として法界定印を結ぶ理法身であらわされる。 ●法身大日如来の自内証(サトリ)を、釈尊の成道のプロセスに擬し、「発心(発菩提心)」→「修行」→「菩提(証菩提)」→「涅槃(入涅槃)」の「四転」(自利)によって展開する(この「四転」に「方便究竟(利他)」を加えて「五転」という)。 ●八葉の蓮弁は本来「白蓮華」で、私たち(衆生)が生まれながらに具有しているはずの(白浄)菩提心をあらわすが、私たちが一般に目にする「現図曼荼羅」は赤色とし私たちの現実の心(肉心)をあらわす。