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三密加持

三密加持とは密教独自の観法(瞑想法、修行)である。三密行、三密瑜伽、三密法ともいう。
三密とは、観法の際対象となる本尊仏の身(本尊のシンボルサインの印(相))と口(本尊の真言)と意(本尊の三摩地(瞑想の境地))をいう場合(無相の三密)と、観法を行う行者の身(両手で仏のシンボルサインの印(相)を結ぶこと)・口(仏のコトバである真言を唱えること)・意(心に仏の三摩地の姿を観じること)をいう場合(有相の三密)がある。観法によって行者の三密と本尊の三密が一体化し、行者と本尊とが互いに感応することを「加持」という。
煩悩を断てないまま生きている私たち(凡夫)でも、サトリを求める強い意志(菩提心)を起こし、密教の修行(心に仏の姿を観じ、手にその仏の印(相)を結び、口にその仏の真言を唱える、三密行)に通じれば、この生身のままでその仏(=サトリ)と一体となることができる、というのが、空海が選んだ成就法である。空海は、栄養失調同然に生体生理を抑制し、煩悩を極限にまで抑えてただただ坐り、雑念と闘いながら空無の境地に身命をあずける(坐)禅を知りながらそれに目もくれず、煩悩を抑制するのではなく、身体のダイナミズムの総動員によってそれを逆に昇華(浄化)する密教の成就法をとったのである。


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