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真言・陀羅尼

真言・陀羅尼を、空海は「如来の秘密語」と言った(般若心経秘鍵)。空海密教においては、真言・陀羅尼は法身である大日如来が自ら(自内証・宇宙の真理)を自ら説く説法のコトバであり、真如(実相)であり、「果分可説」の原理である。空海はヒンドゥーの神々への賛歌や祈りのコトバ「マントラ」に祈りの内容を顕在化する不思議な力(シャクティ)の内在を言うインド伝統の言語観を知っていて、密教のなかに採り入れられたそれをさらに高いレベルに止揚した。真言・陀羅尼は空海密教にとって必要欠くべからざるキーコンセプトであり、重要なメソッドである。


真言・陀羅尼と梵字・悉曇は表裏一体の関係にある。
古代インド、ヴェーダ(Veda)に発する神々への祈りのコトバ=マントラ(mantra、咒)を、密教は積極的に取り入れ、大日如来の説法のコトバ、あるいは諸仏諸尊への利益具現の祈り、あるいは行者(人間)と諸仏諸尊(仏)とが交信する秘密語として多用している。
漢訳仏典は、真言・陀羅尼が仏徳の具現や秘密語の故に、インド言語(サンスクリット)のまま表記しその通りに発音するように指示している。密教の行者はそれに従い、行中に真言・陀羅尼をサンスクリット音の通り唱えることを義務づけられた。その漢訳仏典に見られるサンスクリットのアルファベット文字を梵字といい、その梵字のつづり方や字義のことを悉曇という。
空海は日本初の梵字辞典『梵字悉曇字母并釈義』を残している。日本人ではじめてインド言語である梵字・悉曇を本格的にしかも相当なレベルまで学んだのも空海であった。


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悉曇母音

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悉曇子音1

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悉曇子音2

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悉曇切り継ぎ



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