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◎『三教指帰』(聾瞽指帰)は、797年(延暦16年)に空海が24歳にして執筆した最初期の著作である。対句を多用した四六駢儷体(しろくべんれいたい)で記述されており、仏教の真理を弁証法的に導き出している。
◎放蕩な不良少年、蛭牙公子を更生させるために、儒教・道教・仏教(三教)を代表する三人の賢者が説得するが、その議論のなかで仏教の教えが至上であることが最終的に示される。学問を比較する本格的な思想書でありながら、戯曲調の物語構成が生きており、論理を分かりやすく伝えている。
◎この著作では、大陸の諸学にかかわる文献が広く参照・引用されており、それまでの学問をすべて踏まえた上で、仏教の道を選んだ青年空海の決意が表れている。若くして世界に目を向けていた、空海の視野の広さを証明する書といえる。
◎放蕩な不良少年、蛭牙公子を更生させるために、儒教・道教・仏教(三教)を代表する三人の賢者が説得するが、その議論のなかで仏教の教えが至上であることが最終的に示される。学問を比較する本格的な思想書でありながら、戯曲調の物語構成が生きており、論理を分かりやすく伝えている。
◎この著作では、大陸の諸学にかかわる文献が広く参照・引用されており、それまでの学問をすべて踏まえた上で、仏教の道を選んだ青年空海の決意が表れている。若くして世界に目を向けていた、空海の視野の広さを証明する書といえる。
※『三教指帰』と『聾瞽指帰』は序文と巻末など相違が一部あるが、大部分が同様の内容であり、前者は後者を修正したものと考えられる。
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