微細会の諸仏は成身会の諸仏にならいます。
下記は成身会の諸仏解説と同じものです。
[読み] だいにちにょらい
[梵名] マハー・ヴァイローチャナ・タターガタ
[梵名表記] mahāvairocanatathāgata
※以下タターガタは略す
●梵名マハー・ヴァイローチャナは、「すぐれて(法界に)あまねく(仏智の)光明を照らす者」の意、音訳して摩訶毘盧遮那(マカビルシャナ)、太陽(神)のイメージ。
●金剛界曼荼羅の主尊、両の手で智拳印(最上菩提印)を結ぶ。
●「五仏」(五智如来)の中心、「五仏」の本性である「五智」(法界体性智・大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智)のうち「法界体性智」(真如・法如そのものの智)を本性とする。
●宇宙の真理(真如・法如)のはたらきがそのまま法身大日如来の意志であるという堅固な智慧(仏智・法界体性智)を、始めもなく終りもなく、常恒に、自らの法楽(自受法楽)のために、説き続ける「智法身」(自受用身)。
●金剛界大日如来は、「一切義成就菩薩」(=釈迦)が一切如来たちに「五相成身観」を教示され、その観法によって仏身円満となり、一切如来たちに加持されて一切如来たちの代表の「一切如来」(毘盧遮那如来:報身・受用身)となったもの。
[読み] こんごうはらみつぼさつ
[梵名] ヴァジュラパーラミター ※他にも異名あり
[梵名表記] vajrapāramitā
●梵名ヴァジュラ・パーラミターは、「堅固なるもの(菩提心)によって高みに達した者」の意。
●阿閦如来が毘盧遮那如来(大日如来の報身・受用身)を供養するために出現させた菩薩、菩提心を以て奉仕する。
●金剛界の全体であり、(菩提心を転開して)衆生をサトリ(仏智)を得せしめる智慧もつことを表す。
●中央の大日如来(毘盧遮那如来)の四親近、四波羅蜜菩薩の一。
[読み] ほうはらみつぼさつ
[梵名] ラトナパーラミター ※他にも異名あり
[梵名表記] ratnapāramitā
●梵名ラトナ・パーラミターは、「(智慧の)財によって高みに達した者」の意。
●宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩、智慧の財により奉仕する。
●一切如来たちの智慧の胎蔵であり、大金剛智の象徴である宝をもつことを表す。
●中央の大日如来(毘盧遮那如来)の四親近、四波羅蜜菩薩の一。
[読み] ほうはらみつぼさつ
[梵名] ダルマパーラミター ※他にも異名あり
[梵名表記] dharmapāramitā
●梵名ダルマ・パーラミターは、「法(真理)によって高みに達した者」の意。
●阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩、智慧の自性清浄なるを以て奉仕する。
●一切如来たちがそうであるように、諸法は実相にして自性清浄であることを表す。
●中央の大日如来(毘盧遮那如来)の四親近、四波羅蜜菩薩の一。
[読み] ごうはらみつぼさつ
[梵名] カルマパーラミター ※他にも異名あり
[梵名表記] karmapāramitā
●梵名カルマ・パーラミターは、「行によって高みに達した者」の意。
●不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩、衆生済度の実践行を以て奉仕する。
●一切如来たちの教示を実行するものであることを表す。
●中央の大日如来(毘盧遮那如来)の四親近、四波羅蜜菩薩の一。
[読み] あしゅくにょらい
[梵名] アクショーブヤ
[梵名表記] akṣobhya
●梵名アクショーブヤは、原意で「不動の」「揺るがない」、音訳で「阿閦」の意。
●東方の月輪に住し、毘盧遮那如来の本有菩提心を徳性とする。
●菩提心とおよびサトリの境地が堅固不動で、煩悩や妄執に屈しないことを表す。
●胎蔵マンダラ中台八葉院の宝幢如来と同体。
●四智の大円鏡智。
[読み] こんごうきぼさつ
[梵名] ヴァジュラサードゥ
[梵名表記] vajrasādhu
●梵名ヴァジュラ・サードゥは、「堅固なる善哉(の叫びある者)」「歓喜王という(三昧耶から出現した薩捶加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の大歓喜の三昧耶として出現し、衆生の迷妄を除いて喜ばせしめる菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうあいぼさつ
[梵名] ヴァジュララーガ
[梵名表記] vajrarāga
●梵名ヴァジュラ・ラーガは、「堅固なる貪愛(ある者)」「摩羅という(三昧耶から出現した薩捶加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の貪愛の智慧の三昧耶として出現し、自性清浄の貪愛の智慧によって、愛欲を離れた者を更に清浄にする菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうさった
[梵名] ヴァジュラサットヴァ
[梵名表記] vajrasattva
●梵名ヴァジュラ・サットヴァは、「金剛杵(堅固なる菩提心)をもつ衆生」の意。
●私たち(衆生)の本有菩提心を象徴する菩薩。
●金剛薩埵は、大日如来が諸尊のサトリの総体なのに対し、私たち(衆生)の妄執の総体でありながら、本有菩提心を起させる役割をもつ。
●また、衆生の代表として大日如来から説法を聞く立場と、法身大日の説法を衆生に伝える仲介の仏の立場を兼ねる。
●ここでは金剛薩捶は、一切如来たちの菩提心を体現する堅固な衆生(薩捶)であり、一切如来たちの悉地である金剛杵そのもの。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうおうぼさつ
[梵名] ヴァジュララージャ
[梵名表記] vajrarāja
●梵名ヴァジュラ・ラージャは、「堅固なる王」「不空王という(三昧耶から出現した薩捶加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の鉤召の三昧耶として出現し、堅固な鉤(カギ)によって衆生をを引き寄せ済度する目的を成就する菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] ほうしょうにょらい
[梵名] ラトナサムバヴァ
[梵名表記] ratnasambhava
●梵名ラトナ・サムバヴァは、「慧財(宝)を生み出すもの」の意。
●南方の月輪に住し、毘盧遮那如来の平等性智、修行の徳、福徳と潅頂を徳性とする。
●菩提心より修行を転開して福徳ある慧財を生じ、この慧財(宝)を以て衆生を潅頂し、所願を満足せしめることを表す。
●胎蔵マンダラ中台八葉院の開敷華王如来と同体。
●四智の平等性智。
[読み] こんごうこうぼさつ
[梵名] ヴァジュラテージャ
[梵名表記] vajrateja
●梵名ヴァジュラ・テージャは、「堅固なる威光(ある者)」「大威光の(三昧耶から出現した宝加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の光輪の三昧耶として出現し、衆生を照らし無知迷妄の闇を破る菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうしょうぼさつ
[梵名] ヴァジュラハーサ
[梵名表記] vajrahāsa
●梵名ヴァジュラ・ハーサは、「堅固なる笑み(の者)」「常悦喜根の(三昧耶から出現した宝加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の大笑の三昧耶として出現し、よく衆生を済度して喜悦し、諸仏の奇跡(の生起)として一切如来を歓喜せしめる菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうどうぼさつ
[梵名] ヴァジュラケートゥ
[梵名表記] vajraketu
●梵名ヴァジュラ・ケートゥは、「堅固なる標旗(をもつ者)」「宝幢の(三昧耶から出現した宝加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の衆生利益の三昧耶として出現し、如意宝珠を先端につけた旗をもち、衆生の一切の意願を円満せしめる菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうほうぼさつ
[梵名] ヴァジュララトナ
[梵名表記] vajraratna
●梵名ヴァジュラ・ラトナは、「堅固なる(潅頂=)宝(を行う者)」「虚空蔵の(三昧耶から出現した宝加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の大潅頂の三昧耶として出現し、無量無辺の衆生に潅頂(=宝)を授ける菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] あみだにょらい
[梵名] アミターユス(アミターバ)
[梵名表記] amitāyus(amitābha)
●梵名アミタ・アーユス、アミタ・アーバは、「(時間・空間を超えて)尽きることのない寿命(ある者)」「尽きることない光輝(ある者)」の意、別称に音訳の無量寿如来、無量光如来がある。
●西方の月輪に住し、毘盧遮那如来の妙観察智、本性清浄の徳性をもつ。
●修行の結果サトリを得、尽きることのない(仏智の)光明が、開花した菩提心より発して西方の世界を照らし、衆生にその本性が蓮華のように清浄なるを説き示す。
●胎蔵マンダラ中台八葉院の無量寿如来と同体。
●四智の妙観察智。
[読み] こんごうほうぼさつ
[梵名] ヴァジュラダルマ
[梵名表記] vajradharma
●梵名ヴァジュラ・ダルマは、「堅固なる(正)法(の光明をもつ者)」「観自在の(三昧耶から出現した法加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の金剛法性智の三昧耶として出現し、衆生に諸法の本来清浄なるを覚らせる菩薩。
●観自在菩薩(観世音菩薩)に同体。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうりぼさつ
[梵名] ヴァジュラティークシュナ
[梵名表記] vajratīkṣṇa
●梵名ヴァジュラ・ティークシュナは、「堅固なる切っ先(=利剣をもつ者)」「文殊の(三昧耶から出現した法加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の般若智の三昧耶として出現し、智慧の利剣をもって衆生の妄執を断ち除く菩薩。
●文殊菩薩に同体。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうごぼさつ
[梵名] ヴァジュラヴァーシャ
[梵名表記] vajrabhāṣa
●梵名ヴァジュラ・ヴァーシャは、「堅固なるコトバ(をもつ者)」「無言の(三昧耶から出現した法加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の如来語戯論智の三昧耶として出現し、秘密語(諸真言)をもって衆生の戯論を断じ正法を示す菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごういんぼさつ
[梵名] ヴァジュラヘートゥ
[梵名表記] vajrahetu
●梵名ヴァジュラ・ヘートゥは、「堅固なる因(をもつ者)」「纔発心転法輪の(三昧耶から出現した法加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の転法輪智の三昧耶として出現し、菩提心を因とし堅固不退転にしてサトリを得、法輪を転ずる菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] ふくうじょうじゅにょらい
[梵名] アモーガシッディ
[梵名表記] amoghasiddhi
●梵名アモーガ・シッディは、「確かな成就(ある者)」の意。
●北方の月輪に住し、毘盧遮那如来の成所作智、自利利他円満、涅槃の徳性をもつ。
●自利利他の活動をあますところなく成就し、涅槃に至ることを表す。
●胎蔵マンダラ中台八葉院の天鼓雷音如来と同体。
●四智の成所作智。
[読み] こんごうげぼさつ
[梵名] ヴァジュラヤクシャ
[梵名表記] vajrayakṣa
●梵名ヴァジュラ・ヤクシャは、「ヤクシャ(薬叉)のように堅固な(牙をもつ)者」「摧一切魔の(三昧耶から出現した羯磨加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の方便の三昧耶として出現し、大慈悲の方便として堅固な牙で諸魔を挫き、済度の難しい衆生をも救う菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうごうぼさつ
[梵名] ヴァジュラカルマ
[梵名表記] vajrakarma
●梵名ヴァジュラ・カルマは、「堅固なる事業(=活動を行う者)」「一切如来ヴィシュヴァカルマン(毘首羯磨)の(三昧耶から出現した羯磨加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の供養の広大儀軌の活動の三昧耶として出現し、諸仏を供養し衆生を済度する活動を行う菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうごぼさつ
[梵名] ヴァジュララクシャ
[梵名表記] vajrarakṣa
●梵名ヴァジュラ・ラクシャは、「堅固な守護(守衛)」「難敵精進の(三昧耶から出現した羯磨加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の精進の堅固なる甲冑の三昧耶として出現し、慈悲の鎧を身に着け堅固に衆生を擁護する菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうけんぼさつ
[梵名] ヴァジュラサンディ
[梵名表記] vajrasandhi
●梵名ヴァジュラ・サンディは、「堅固な縛(=拳印)(をもつ者)」「一切如来拳の(三昧耶から出現した羯磨加持)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来の一切印契智の三昧耶として出現し、堅固なる拳印で衆生を成就に導く菩薩。
●十六大菩薩の一。
[読み] こんごうきぼさつ(こんごうげぼさつ)
[梵名] ヴァジュララースヤー
[梵名表記] vajralāsyā
●梵名ヴァジュラ・ラースヤーは、「堅固な遊戯・愛楽(をなす者)」「一切如来を歓喜によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が愛楽喜悦の三摩地に住し、阿閦如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の安楽と満足の三昧耶女として出現し、遊戯・愛楽の歓びをもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうまんぼさつ
[梵名] ヴァジュラマーラー
[梵名表記] vajramālā
●梵名ヴァジュラ・マーラーは、「堅固な華鬘・宝鬘(をもつ者)」「一切如来を宝鬘によって潅頂する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が荘厳の三摩地に住し、宝生如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の鬘の三昧耶女として出現し、宝鬘をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうかぼさつ
[梵名] ヴァジュラギーター
[梵名表記] vajragītā
●梵名ヴァジュラ・ギーターは、「堅固な歌詠・偈頌(をもつ者)」「一切如来を歌詠によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が妙音歌詠の三摩地に住し、阿弥陀如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の歌詠・偈頌の三昧耶女として出現し、歌詠・偈頌をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうぶぼさつ
[梵名] ヴァジュラヌリトヤー
[梵名表記] vajranṛtyā
●梵名ヴァジュラ・ヌリトヤーは、「堅固な舞踊・技芸(をもつ者)」「一切如来を舞踊によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が荘厳の三摩地に住し、不空成就如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の供養活動の三昧耶女として出現し、舞踊をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうこうぼさつ
[梵名] ヴァジュラドゥーパー
[梵名表記] vajradhūpā
●梵名ヴァジュラ・ドゥーパーは、「堅固な焼香(をもつ者)」「一切如来を喜ばしめる女によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の智慧の三昧耶女として出現し、焼香(適悦無碍の智慧)をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、外の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうけぼさつ
[梵名] ヴァジュラプシュパー
[梵名表記] vajrapuṣpā
●梵名ヴァジュラ・プシュパーは、「堅固な華(をもつ者)」「宝荘厳によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の宝荘厳の三昧耶女として出現し、華をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、外の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうとうぼさつ
[梵名] ヴァジュラーローカー
[梵名表記] vajrālokā
●梵名ヴァジュラ・アーローカーは、「堅固な燈明(をもつ者)」「燈明によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の法燈明の三昧耶女として出現し、燈明をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、外の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうずぼさつ
[梵名] ヴァジュラガンダー
[梵名表記] vajragandhā
●梵名ヴァジュラ・ガンダーは、「堅固な塗香(をもつ者)」「塗香によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の五分法身(戒・定・慧・解脱・解脱知見)の三昧耶女として出現し、塗香をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、外の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうこうぼさつ
[梵名] ヴァジュラーンクシャ
[梵名表記] vajrāṅkuśa
●梵名ヴァジュラ・アンクシャは、「堅固な鉤(カギ)(をもつ者)」「(一切如来の三昧耶を)鉤引(する三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを鉤引し大曼荼羅に帰入させる引摂の三昧耶として出現し、堅固な菩提心を以て衆生を悪趣から引き出し、大曼荼羅に導く尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] こんごうさくぼさつ
[梵名] ヴァジュラパーシャ
[梵名表記] vajrapāśa
●梵名ヴァジュラ・パーシャは、「堅固な羂策(をもつ者)」「(一切如来の三昧耶を)引入(せしめる三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを曼荼羅に引入する引摂の三昧耶として出現し、慈悲心を以て等しく衆生を大曼荼羅に導き入れる尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] こんごうさぼさつ
[梵名] ヴァジュラスポータ
[梵名表記] vajrasphoṭa
●梵名ヴァジュラ・スポータは、「堅固に破裂・発露する者」「(一切如来の三昧耶を)鎖(で縛る三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを曼荼羅のなかに結縛する引摂の三昧耶として出現し、衆生に菩提心を発露させ、仏道に固く留め、大曼荼羅に導く尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] こんごうれいぼさつ
[梵名] ヴァジュラーヴェーシャ
[梵名表記] vajrāveśa
●梵名ヴァジュラ・アーヴェーシャは、「堅固に召入する者」「(一切如来の三昧耶を)召入(する三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを曼荼羅へ召入する引摂の三昧耶として出現し、鈴の音がどこにでも響き渡るように、すべての衆生をサトリに召入し、大曼荼羅に導く尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] かしん
[梵名] アグニ
[梵名表記] agni
●梵名アグニは、「火(神)」「火天」の意。
●四方天の一で東南の隅を守る、八方天・十二天。
●仏教に採り入れられて護法神となったヒンドゥーの神アグニ。
●天上では太陽、中空では稲妻、地上では祭火など、世界に遍在する。
●家の火・森の火、また心中の怒りの炎・思想の火・霊感の火などとして存在すると考えられた。
●人間や動物の体内では食物の消化作用として存在し、栄養を全身に行きわたらせて健康をもたらし、ひいては子孫繁栄や財産(家畜)の増大をもたらすとされる。
[読み] すいじん
[梵名] ヴァルナ
[梵名表記] varuṇa
●梵名ヴァルナは、「水あるいは大洋の神の名」「水神」「水天」「四大海神」の意。
●もともとはヒンドゥーの神ヴァルナ、仏教の護法神として西方を守る。
●八方天、十二天の一。
[読み] ふうじん
[梵名] ヴァーユ
[梵名表記] vāyu
●梵名ヴァーユは、「風」「風神」「風天」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神ヴァーユ。
●四方天の一で西北方を守る、十二天の一。
[読み] じじん
[梵名] プリティヴィー
[梵名表記] pṛthivī
●梵名プリティヴィーは、「大地」「地界」「地天」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの女神プリティヴィー、密教では男と一対にする。
●本来は天空(=上部・東方)の梵天(ブラフマン)に対し大地(=下部・西方)に配置されるべきだが、東方の守護に置かれる、堅牢(地)神と同一視される。
●十二天の一。
●五仏の化身。
●大日法身は三世を通じて現在の故に、過去(荘厳劫)・現在(賢劫)・未来(星宿劫)の三世三千仏を略して現在(賢劫)の千仏を出す。
●他の会では、千仏を十六尊に代える。すなわち、弥勒、不空見、滅悪趣、除憂闇、香象、大精進、虚空蔵、智幢、無量光、月光、賢護、光網、金剛蔵、無尽慧、弁積、普賢。
[読み] ならえんてん
[梵名] ナーラーヤナ
[梵名表記] nārāyaṇa
●梵名ナーラーヤナは、原意で「原人神」「人種神」、音訳で「那羅延」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神ビシュヌの化身ナーラーヤナ(=クリシュナ)。
●二十八部衆の一。
[読み] くまらてん
[梵名] クマーラ
[梵名表記] kumāra
●梵名クマーラは、「赤児」「童子」「少年」「子息」の意。
●起源はヒンドゥーの神スカンダ、大自在天(シヴァ神)の息子とされる。
●名のクマーラから無邪気・無執着の徳をもつといわれる。
●孔雀に乗る、韋駄天と同一にみられる。
[読み] こんごうざい(さい)てん
[梵名] ヴァジュラチンナ
[梵名表記] vajracinna
●梵名ヴァジュラ・チンナは、「堅固な破砕(をする者)」の意。
●毘那夜迦天の眷属、東方を守り諸魔を打ち砕く摧砕天。
●傘蓋毘那夜迦、無憂大将の別称。
●象頭形、四部毘那夜迦の一。
[読み] ぼんてん
[梵名] ブラフマン
[梵名表記] brahman
●梵名ブラフマンは、「宇宙の創造主」「大我」「最高神ブラフマン」「梵天」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの宇宙創造神ブラフマン、二十八部衆の一。
●天空(上方=東)を守護する天。
[読み] たいしゃくてん
[梵名] シャクラ
[梵名表記] śakra
●梵名シャクラは、「強き者(インドラ)」「帝釈天(主)」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神インドラ、東方を守る。
●忉利天(三十三天)の喜見城天に住むといわれる。
●八方天、十二天の一。
[読み] にってん
[梵名] アーディトゥヤ
[梵名表記] āditya
●梵名アーディトゥヤは、「太陽(神群)」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの太陽神スールヤはその子といわれる、十二天の一。
[読み] がってん
[梵名] チャンドラ
[梵名表記] candra
●梵名チャンドラは、「月」「月光」「月神」「月天」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神チャンドラ。
●十二天の一。
[読み] こんごう(おん)じきてん
[梵名] ヴァジュラバクシャナ
[梵名表記] vajrabhakṣaṇa
●梵名ヴァジュラ・バクシャナは、「堅固な食(をとる者)」の意。
●梵名でヴァジュラ・マーラ(「金剛鬘」)の別名あり。
●毘那夜迦天の眷属、南方を守り宝鬘をもって供養を行う天。
●華鬘毘那夜迦、厳髻大将の別称。
●象頭形、四部毘那夜迦の一。
[読み] すいせいてん
[梵名] ケートゥ
[梵名表記] ketu
●梵名ケートゥは、原意で「光輝」「標」「主長」「彗星」「流星」、宮の名で「計都星」「彗星」「流星」の意。
●ケートゥは、日蝕・月蝕と深い関係のある月の交点(黄道と白道の交点)のうちの降交点。
●九曜の一、計都星の別称。
[読み] らせつてん
[梵名] ラークシャサ
[梵名表記] rākṣasa
●梵名ラークシャサは、「悪鬼」「羅刹」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神ラークシャサ。
●四方天の一で西南方を守る、十二天の一。
風神に同じ
[読み] ふうじん
[梵名] ヴァーユ
[梵名表記] vāyu
●梵名ヴァーユは、「風」「風神」「風天」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神ヴァーユ。
●四方天の一で西北方を守る、十二天の一。
[読み] こんごうえ(ぶく)てん
[梵名] ヴァジュラヴァーシン
[梵名表記] vajravāsin
●梵名ヴァジュラ・ヴァーシンは、「堅固な居住・暮らし(ある者)」「小刀」の意。
●毘那夜迦天の眷属、西方を守り弓箭をもって愛欲の本性清浄を示す天。
●拘弓箭毘那夜迦、頂行大将の別称。
●象頭形、四部毘那夜迦の一。
火神に同じ
[読み] かてん
[梵名] アグニ
[梵名表記] agni
●梵名アグニは、「火(神)」「火天」の意。
●四方天の一で東南の隅を守る、八方天・十二天。
●仏教に採り入れられて護法神となったヒンドゥーの神アグニ。
●天上では太陽、中空では稲妻、地上では祭火など、世界に遍在する。
●家の火・森の火、また心中の怒りの炎・思想の火・霊感の火などとして存在すると考えられた。
●人間や動物の体内では食物の消化作用として存在し、栄養を全身に行きわたらせて健康をもたらし、ひいては子孫繁栄や財産(家畜)の増大をもたらすとされる。
[読み] びしゃもんてん
[梵名] ヴァイシュラヴァナ
[梵名表記] vaiśravaṇa
●梵名ヴァイシュラヴァナは、「多(く)聞(く者)」、音訳で「毘沙門」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの神ヴァイシュラヴァナ(クベーラを前身とする)。
●別名、四天王の多聞天。
●北方を守る善神、十二天の一、二十八部衆の一。
[読み] こんごうめんてん
[梵名] ヴァジュラムカ
[梵名表記] vajramukha
●梵名ヴァジュラ・ムカは、「堅固なる顔・面相(をもつ者)」「金剛口」の意。
●毘那夜迦の女天、手にもつ鉤で諸魔を引き寄せる天。
●猪頭形、金剛猪頭天の異名。
[読み] えんまてん
[梵名] ヤマ
[梵名表記] yama
●梵名ヤマは、原意で「(妹ヤミーと)一対の」「双生児」「死界の死者を支配する者」「夜摩天」の意。
●仏教の護法神となったヒンドゥーの死神ヤマ。
●死界・下界を支配し、とくに地獄において亡者の生前の罪業を審判する。
●十二天の一、南方を守る。
●焔魔天、中国・日本では閻魔大王ともいわれる。
[読み] ちょうぶくてん
[梵名] ジャヤ
[梵名表記] jaya
●梵名ジャヤは、「打ち勝つこと」「調伏(する者)」の意。
●毘那夜迦天の眷属、北方を守り剣をもって諸魔を調伏する天。
●拘刀毘那夜迦、象頭大将の別称。
●象頭形、四部毘那夜迦の一。
[読み] びなやかてん
[梵名] ヴィナーヤカ
[梵名表記] vināyaka
●梵名ヴィナーヤカは、原意で「案内者」「指導者」「(障害の)除去者」「善導」の意。
●大自在天(シヴァ神)の集団を率いるヒンドゥーの神ヴィナーヤキャ、頭部が象である(ガネーシャ)。
●威力、福徳などを具え、象頭人身の男女が抱擁する尊像は秘仏、歓喜天・聖天。
水神に同じ
[読み] すいてん
[梵名] ヴァルナ
[梵名表記] varuṇa
●梵名ヴァルナは、「水あるいは大洋の神の名」「水神」「水天」「四大海神」の意。
●もともとはヒンドゥーの神ヴァルナ、仏教の護法神として西方を守る。
●八方天、十二天の一。